勿論、ディノは1960年台に設計、生産され1974年に生産が終了しているから、
もうすでに、30〜36年も作られてから経過しているわけだ。
当社でレストアを行う際、もっとも重要な部分は
いかにこの美しいデザインを再び きわだたせられるか と言う点だ。
正直言って当時のオリジナルのデイノは、ラインもぼんやり出てて、色もくすんだ色が多かった。
例えば 赤にしても黄色にしても 調合に黒を混ぜたような なんか暗い感じのものだった。
だから当時の私(1975年)は 今ほどこの車に感心がなかった。
勿論当時も何台かこの車を売ったけれど、私もお客もフェラーリの登竜門くらいの感覚で
まだこの車にお金をかける時代ではなかったんだよ。
だから私の中で、この車のよさを再認識し始めたのは ここ14〜15年くらいの気がする。
レストアの仕事を海外で眼のあたりに見て、自分でもやりたいと思うようになり
それに一番適しているのが ディノだった。
そこでレストアの基本である全塗装をするにあたり、現代風の色合いにしてみようと考えた。
すなわち赤は 発色の良い濃い血のような色、黄色は鮮やかだけど深みのある黄色。
それを具現化したのが今回の キャステル仕様の車だ。勿論何度も調合しなおしたのは言うまでもない。
それに伴い、もう一つの私の気に入らない点、すなわちボディのラインだしをしてみることにした。
ディノは一見ただ丸いラインだけのように見えるが、実際は無数の”線”がある。
それらを出来るだけ強調してみた。するとまるで別の車のようにイメージがシャープになった。
これが私の提案する 現代風 ディノだ。 勿論別にこれを押し付けるつもりは無い。
もう一方のシーサイド仕様と比べて 参考にしてみてくれるとありがたい。
この画像の色が一番現物に近い。
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この角度から見ると それぞれのラインがシャープに出ているのが判るでしょ。
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下のアンダーコートのラインの引き方にも注意。これがダサいとせっかくのペイントが台無し。
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このリヤーのエッジを綺麗に出すのが なかなか大変。
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もう一度 おさらいすると、
キャステル仕様は
1)色を現代風にする。あるいはこだわらず好みの色を作る。
2)ボディのラインだしを強調する。
3)内装も好みの色、レザーで仕上げる。
以上がオリジナルと異なるところだ。
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