〜 ボクサークラブ : ドライビング シュミレーション 〜

365BB ドライビング シュミレーション

まず始めに、シートのポジションを正確に合わせる。なんでかというと、クラッチが結構重いから完璧に
踏める位置を確認するためだ。エンジンが冷えてる時は、セル1発とはいかない。それなりのコツを要
する。まず、イグニッションをひねって、ガスを送ってからアクセレーターを4〜5回 ストロークする。
(結構大胆に)

次に セルを回してかかりを待つ。始め一つ目のババ というのがくるが、すぐすとんと止まってしまう。
次が腕の見せ所だ。2回目のババというのが来たら、アクセレーターを細かく小刻みに 煽ってやって
完全に12気筒が爆発するまで我慢する。始めはせいぜいい8気筒か9気筒くらいしか回らない。
これをしくじると、変な風にカブって、始動が困難になるのだ。

完全に12気筒に火が付いたフラット12は 実に良い音がする。ディトナ辺りの V12とは また音質が
違うがいかにも水平対抗 と言うフィールを感じさせてくれる 滑らかな回り方をする。

約10分ほど暖気すると、いよいよ発進だ。ギヤーを1にエンゲージする。大体どのフェラーリでもそうだが、
ゆっくり丁寧が基本だ。無造作に何も考えずに ギヤーシフトするのは良くない。スポーツカーのドライブ
とは、車との対話だ。相手の言うことを聞き、今の状態を把握し、こちらの要求を伝える。それが、マンツー
マンに近い形で現れるから、キャブレターの車は面白いというのだ。それは、人と人との対話と、コンピュ
ータ相手の対話 ?の違いみたいなもんだ。

同じ理屈で アクセルもインジェクションのように無造作に踏んではいけない。エンジンのご機嫌?を損な
わぬように 特に1速では気を使わなくてはならない。
但し、4000Rpm を超えたら むしろラフなくらい踏み込めば良い。期待以上にBBのエンジンは スムース
に且つトルクの上昇を感じさせながら一気に上へと回っていく。1速では100キロ近い速度まで一瞬だ。
タコは其の時 7500回転くらいをさしている。レブリミットが7800だから、7000も回せば充分楽しめる。

コーナーにさしかかった。軽くブレーキを踏んでみる。
するとBBは まるで後ろから引っ張られたようにすっと速度を落とす。無理にではなく、しなやかにだ。
この雰囲気は512には無い。車重が違うから。ミッドシップの基本である、ぎりぎりまでブレーキを残し、
フロントに加重をかけながらターンインの姿勢に持ち込む。
ハンドリングは結構シビアだ。路面の反力も結構伝わってくる。ロックツーロックも少ないレシオだから、
タイトなコーナーでは微妙な切り加減を要求される。
そこが、今時のパワステフェラーリと違い面白いところなのだが。

よく言われるように、例の2階建てエンジンレイアウトのせいか、重心移動は結構ある。
と言うか、確かに重心の位置が高い感じなのだ。例えばロータスヨーロッパが腰の位置としたらBBは 
胸の辺りとでも言おうか。
だから むしろそれを積極的に利用して、コーナーの回り方のタイミングをとってやる必要がある。
簡単に言えば、自分の車の重さとコーナーの回れる限界のスピードを瞬時に判断するのだ。
間違っても、ドリフトコントロールで回ろうなんて考えてはいけない。

其の辺りさえ気をつければ、BBは 本当に楽しい車だ。
ボディの大きさや大排気量を感じさせない、ファントウドライブな車だ。
其の楽しさの度合いが365BB〜512BBキャブ〜インジェクション と考えればよい。