〜 ボクサークラブ : 365BB 〜

2010年6月のHPより (その2)

このBBと言う車はある意味不運な車だ。
1973年にディトナが生産終了し、偉大な!? ディトナの後継車として期待を一身に背負って
開発がされた。
ピニンファリーナはこの車で初めて巨大な空気抵抗を測る風洞設備を自前で作ったし、
その設備を活用してフェラーリ初の空気力学を全面に取り入れたデザインが為されたのもこのBBだった。

確かに1948年から1968年と40年間、開発に開発を重ね、コロンボデザインのV型12気筒を究極まで煮詰めた
365GTB/4 ディトナのエンジンはある意味 完成の域にあった。
V12気筒 ボアーストロークが 81×71 4390cc
362馬力/ 7500rpm

これを次のモデルは性能面、また販売をアピールするための技術革新でアピールする必要がある。
そこでフェラーリの技術陣が考えたのが、そのころ自身のF1チームのエンジンとして
採用していた水平対抗のシステムを採用する事だった。

しかも伝統のフロントエンジンから初めてトライする 12気筒初のミッドシップへの搭載。
これもライバルのミウラに先を越されているので、負けるわけにはいかない。

しかもディトナ生産終了から間を置くわけにはいかない。
そういうわけで今からみれば かなりなハードスケジュールで
このBBの生産計画を進めていた様だ。

その結果、1973年に発表され1974年から発売が開始された365BBは
わずか、387台の製造の間に5回以上のマイナーチェンジをする事になった。
つまりそれだけ初期の完成度が低かったということだ。

おまけに設計上、エンジンが非常に大きく重いのでミッションを置く場所が無く
仕方無しに?エンジンの下にぶら提げてしまった。
下の写真からもエンジン本体の下のミッション、デフ部分が大きいのが判る。



これが後に、BBは重心高が高くコーナリングが不安定だと言われる要因になる。
確かにディトナのフロントボンネットを開けると、驚くほどの低さに、エンジン全体がある。
勿論、エンジン上部にウエーバーキャブを6連装して、
おまけにその上にエアークリーナーカバーまで載せてだ。





そういうわけで、このBBは出だしから色々と問題が積算している車だったのだ。
但し、ここで誤解してもらっては困るのが、結論として私はBBが好きだということ。



レストアにも ピンからキリまでの違いがある。
偉大な?フェラーリ社が精魂傾けて作った車を一旦 全部ばらして
もう一度部品を新品状態にして組み立てるのだから
容易なことではない。
下の写真にもあるように ちかじかスイスで当社がオーダーした
365BBの レストアの記録を公開しようと思う。












ここはスイスの ガレージ ルーフさんところ。
もう彼とは20年以上の知己だ。