■ 簡単なロードインプレ
普通の車ならドアーを開けて簡単に乗り込めばよいのだが、この車の場合 ちょっとした演出めいた
ものがある。 そう、ドアーが上に開くのだ。
確かにこの当時他にはこんなのなかったから、小学生たちは眼を皿の様に見ていたよね。
このドアーは油圧の細いダンパーで支えているので、開けたままでも落ちては来ない。でもダンパーが
へたってくると勝手に下がり、頭突っ込んで作業していると ドアーにはさまれたなんてこともあった。
下の写真では少しドアーのサイドガラスが下がってるのが見えるよね、サッシの角度のせいでここまで
しか下がらない。これを開けたままバタンと強く閉めると、この下のガラスが割れることもあった。
さて次はエンジンの始動だ。これは意外と簡単。バッテリーさえ調子よければ ただセルをぐるぐる回す
だけで特別儀式的なものはいらない。
バウーンとエンジンがかかっても、排気音は意外とおとなしい。むしろかなり音を抑えたような感じだ。
これはタイプ2という、後期の太鼓がでかいタイプの場合。
初期のタイプ1は、太鼓がかなり小さく結構音はうるさかった。ただミウラのような乾いた音では無く
もう少し低い爆音?のような音。
さて、クラッチを踏んでみる、意外と軽い。ただストロークは結構ある。少し渋いミッションを1速に入れて
クラッチを戻してみる、でも軽く前に進まない、そう、このLP400は以外と低速トルクが無いのだ。
だから、少し半クラッチ気味にアクセルを2000回転くらいに吹かして、クラッチミートしないと車はスムー
ズに動いていかない。おまけにクラッチのオペレーティングというポンプみたいなものが切れが悪く、つながる
箇所があいまいでスパッとではなく グニャという感じで繋がるのだ。
このあたりもこの車をスポーツカーとして、きびきび走らせるのをスポイルしている要因だ。
その点、ミウラはほんとにスパッと繋がるよ。
ためしに1速で加速してみる。ストロークの多いアクセルをガバッと踏んでるんだけど、加速はかなり
タルい。 グオーという音の割りにスピードが乗っていかず、全然エキサイティングなことは無い。
私なりに考えた理由は、
1)サイドドラフトのキャブにしたため、ツキが悪くなった。
2)フライフォイールが重い。
3)1速のギアー比が高い。
4)エンジンのバランス(ダイナミックバランス)
4については、私はLP400に20台以上乗ったけど みんな同じような感じだった。個体差では無い
ようだ。これは2速、3速の全開でも同じ。ミウラに比べると上が重い感じで綺麗に回っていかないのよ。
この辺りは、このエンジンを設計した奴に聞いてみたいよね。
けっこうタイトなコーナーにさしかかった、ハンドルを切ってみる。
意外と素直に車は反応しついてくる。ロールもほとんど無い。ただステアリングのギヤボックスは けっこう
ダルで切れ味鋭くと言う感じではない。意外とマイルドな味つけなのだ。なんでやろ?
前後の重量バランスもよい感じでリャーヘビーな感じではない。このスタイルからは想像でけんでしょ。
以前 フェラーリのレースドライバーとして名をはせた、大田哲也さんとこの車を箱根でドライブしたことが
ある。
勿論彼の運転で。そうするとほんの数分で彼は特性をつかみ、10分後にはコーナーでドリフトコントロール
をしていた。さすがだよね。私もその時始めてLP400がドリフトし易い!!!車だと知ったのだ。
さっきも言ったように この車は意外と前後バランスが取れてるから前輪、後輪の動きがつかみ易い。
特性としては 弱アンダーだ。だからコーナーへきて ブレーキとハンドル操作で重心移動し、あとはアクセル
コントロールでリヤーを滑らせれば、ドリフト一丁上がりという訳。
昔、鈴鹿サーキットでスーパーカーレースなるものをやったことがあって、主催者だった大阪の阪奈レーシ
ングクラブの面々が、このLp400をウルフ仕様に改造してスポーラーを付け、リアータイヤも太いものに替
えてレースをしたことがある。
結果は圧倒的だった。直線はともかくコーナーでは全然当時のボクサー(365BB)なんかより安定して速か
ったのだ。 理由は重心の低さと、ワイドトレッド この二つだろうね。
まとめてみると、このLP400は、走行安定性は良いけども、マイルド?なエンジンを積んだために、全体的
には動力的に見るものがほとんど無い、言い換えれば走って面白くない車だということだ。
でも他に比べるものが無い、デザインがある。これだけでもこの車を持つ、買う意味があると言うものだ。
カウンタックシリーズはこの後、400S,5000Sと進化?するが、フィールは大体同じ。
クワトロになって始めてエンジンはよくなった。勿論、4バルブ、ダウンドラフトキャブのおかげ。
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