生産年 1967〜1974
車体 鋼管フレーム+スチールボデイ
全長・全幅・全高=4590・1800・1160
エンジン 水冷V型8気筒
排気量 4931cc 後期型。 前期型は4700cc
出力 335Ps/5500rpm
重量 1500Kg
生産台数 1274台 スパイダー含む
私がシーサイドに、入社して(1974年)始めて運転したイタ車が、ランボルのエスパーダで、次に乗った
のがこのギブリだった。当時マセラティといえば、超がつく高級車なわけで、まだオールペイントしたばか
りの、明るいグリーンメタリックのこの車にガソリンを入れて来いと言われた時は正直、嬉しい反面、心臓
がどきどきした。
なにしろ日本に数台しかない超プレミアムカーだったからだ。
その時のことを思うと、今なんでこの車は人気が無い?のかとも思うが。(価格の面でも)
その頃の値段は、600〜700万もしていたのだから、今でいえば、2000万以上なわけだ。
始めて乗った感想は、やけにフロントのノーズが長い車だなと、あとシートポジションが低く、ダッシュが
高いから、前が見ずらいような気もした。エンジンは意外とフレキシブルで、(V8、5000ccなら当たり前)
全体的にえらい重厚な車だなと。
その後も、この車はそれ程台数は入ってこなかったが、私自身5台ほどお客に売ったりして、今まで、
7〜8台のギブリに乗ったと思う。
モデルとしては、初期の4700と後期の4900、最終型のSSに分けられる。ミッションは、5速マニュアル
と、オートマがあった。
一言でこの車を表せば、超高級グランドツーリングカーだ。ボデイデザインは、あのジウジアーロがまだ、
ギアにいたころの作品で、見事なまでのウェッジシェイプだ。
私は車は真横から見るの好きなのだが、この車は私のお気に入りの1台だ。他は、ミウラ、デイトナ、デイノ
など。
真横の低い位置から見ると、ロングノーズ、ショートデッキの面が強調されて、いう事はない。
内装はすべて本皮で覆われており、湿気の多いところだと、カビが生えて大変だ。
メーターのレイアウトもイエガーの丸いメーターが整然と並び、とても雰囲気が良い。
当時、私は仕事が終わって、誰もいない工場で、ギブリに座ると30分ほど、皮の匂いをかぎながらステア
リングを握っていたような覚えがある。それほど高級感に満ち溢れていたのだ。比べて、デイトナや、ミウラ
はもっとスパルタンで、ギブリのような雰囲気は無い。
ドライブインプレッションは、先にも述べたように、GTカーだ。エンジンもトルク重視で、どこからでも吹けあ
がるが、トルクがフラットで、メリハリは無い。ステアリングも結構スローで、クイックな操作は期待できない。
(パワーステつきも有る)ZF製のミッションは、まあまあ。オートマはだめ。
排気音は長いマフラーの良い音がする。
総括すれば、この車はマセラティが一番良い時代のGTカーだと思う。
高額なわりに、1000台以上売れたのだし。
そのあと、カムシン、ボーラと作ったが、このギブリほどのカリスマ性は持てなかった。
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