〜 マセラティクラブ : メラク (MERAK) 〜



生産年度 たしか1975年からだと思う。日本に1号車が来たのもそのころだし。
エンジン V型6気筒 2965cc
最高出力 190Hp/6000rpm
全長・全幅・全高=4336・1768・1134
モデル、初期のメラックと、後期のSSの2タイプ。
最高速度 240Km (カタログでは)

簡単に言えば、ボーラの廉価モデル。
基本デザインは似ているが、後ろのエンジンルームのガラスエリアがなくなり、2本のピラーに
なっている。あとは、フロントグリルとホイール、勿論内装も全く異なり、初期版はなんとシトロ
エンSMのコクピットをそのまま採用していた。てことはあの変な?1本ステーのハンドルがつい
ていた訳だ。

勿論その理由は当時マセラティが、シトロエンと技術提携していたからで、あの”最悪”ブレーキ
システムもしっかり搭載されていた。
おまけになんと、よしゃーいいのに、この車にはSMのエンジンを載せてしまったのだ。
3リッター、V6といえば聞こえはよいが、もともと乗用車のためのエンジンだから、早く走れるわけ
も無く、我々内部のものは、カローラより遅いといったもんだ。

アイドリングもバラバラと言う感じで、気持ち悪く? ブリッピングしても、とてもスポーツカーの音
とは思えず、ほんとに加速も悪かった.(それに比べるとデイノの6発は、なんて良いのだろう)

ただし、当時シーサイドは、マセラティの代理店だったから、このメラックもばんばん入ってきた。
我々営業は来た車を売るのが仕事だから、だまってお客に、乗りやすい? いい車ですよ と
売りまくったのだ。私だけで、10台くらいは売ったかな。
たしかに、カッコだけでスポーツカーを転がすには、この車は向いていて、まさに入門車と言う感じ
だった。

お客の中には、あの池澤さんとか、石坂浩二さん(今の水戸黄門)もいたのよ。
ハンドリングはややアンダーで、まあまあ、ブレーキは最悪、シフトはリモートがいまいち、エンジン
はメリハリなし、という車だった。最後に出た、SSモデルもコクピット以外は大差なし。
あんなに売ったのに、最近全然姿が見ない。どこいっちゃったんだろう?