〜 社長 鞍とは‥ : 社長の意見 〜

2009年7月21日 火曜日社長の一言

ぺブルビーチ コンクールにて。2007年
勿論今年も行く、1988年から連続21年間 そこに通っているのは
日本人で私だけ。



私はただの車屋。
其のただが、もしも人に感銘を また、憧れを得る仕事なら
これほど幸せなことは無いと思っている。

自分の作った作品が人に喜ばれる、
これは陶器などの作品と同じ感覚だ。

その感覚、実際の表現の方法、
それらはいくら口で言っても伝わらない。あるいは文章でもだ。
だから私に会いに来てくれと言っている。

私は今年で58歳。
江戸時代ならもう死んでる歳だ。
だからこそ、私の35年間で得てきた知識、経験を出来るだけ沢山の人に
話して、伝えたい、そう思うわけだ。

例えばディノ、ミウラ等新車に近い状態から今まで、
それの流れ、またその時々の状態、
それらをはっきりと伝承できるのは日本には私しかいない。

つまりもし貴方が私と話すという事は、
その35年分の知識が間接にも得られるということだ。

これって凄い事では無い?

車も多数の人間が知恵を出し合った結果生まれた作品。
だからこそ人間がその良さを直接対面で伝えなければと私は考えている。

それを億劫がって電子メールですまそうとか、
パソコンの中の知識で知ったような気になるのは間違いだ。

まず始めに人間ありき。

だから私に会いに来いと言ってる。
別に授業料を取るわけでもない、但し甘いモノは好物だが。

もう直ぐ8月だ。
イタリヤ人は8月の最低2週間は休暇を取って、バカンスを楽しむと言う。
かたや日本人。
お盆の前後4〜5日は休むところが多いが、それもお墓参り、
親戚の挨拶等、とても休暇といえるものでは無い。

前にもこのHPで、イタリヤ人はマイペースだと言ったが
簡単に言えば個人主義。

かたや我々日本人は集団主義。
誰かが右と言えば右、
不景気と言えば、全員が不景気な顔をする。

此処に着て、長年の時間による堕落で自民党が崩れてきた。
それ幸いと民主党が政権を取ろうとしている。

ただ、世間の声は別に民主党が優れているからではなく
自民党のていたらくに呆れた、
それが殆どの理由だ。
私もそう思う。

民主党が政権を取って、この国が劇的に改善されるか?
それは殆ど、ムリだろう。

この国の官僚を頂点とする政治、政策のプロセスを
根本から変えるのは容易ではない。

かなり真剣にそれをやろうとしても、集団主義に慣れた役所の手ごわい
反発にあうだろう。

しかし変化は常に必要だし、数センチの進歩でも
後退よりは良い。

当社も此処に着ての皆さんの不景気意識? なのか
問い合わせ、会社への訪問など前と比べるとかなり減少している。

確かにディノや、ミウラとか高額な車が誰でもほいほい買えるわけは無い。
それは前から当たり前の事。

でも自分の身の丈にあった、車を探す、乗る、
これを停止しては駄目だ。

車が好きな男に取って、スポーツカーは永遠の憧れ、
石田純一も始めて買ったフェラーリの中で一晩過ごした と言っているくらい。

その情熱を隠そうとしてないか?
周りの目を気にして。

あの清水草一サンも言っているように、今は100年に一度のチャンスかもしれない。
まあ、実際に海外で車を仕入れている私からすれば
価格の下落は意外と少ないが。

ただ、この日本ではかなりのフェラーリが、だぶついているのは事実だ。
この道35年の私にどんな事でも良いから相談してくれ。

適切なアドバイスが出来るだろう。

今日のポイント、
こんな時だからこそ、自分の実力、意思の強さ、
それらを試せる、絶好のチャンスと捉えるべき。
人生、常にトライだ、前向きだ。